超高齢化時代の到来と共に看護師の人材不足に拍車がかかることは当然予想できたはずですが現在これと言った妙案は開発されていないように思われます。さらに近年看護師の離職現象が多くなって人材不足が深刻な社会問題になっています。離職原因には仕事がきついと言うことのほかに給与が安い、有給休暇が思うように取得できない、夜勤が多いなどと言うものもあります。
大学病院の新卒採用に対する新人研修教育は責任者の配置が実施され内容も先端医療を中心に充実したカリキュラムが組まれています。また専門看護師、認定看護師の育成も盛んです。例えば、社会の高齢化にともなって訪問看護認定看護師の資格が注目されています。
このように教育に力を入れている医療機関では、新人看護師の離職率は8.8%と低くなっており職場への定着が安定しているのが見て取れます。これに対して充分な研修を行なっていない医療機関での離職率は13.4%と多少高い数字が出ています。
大学病院では新卒看護師がスタートから充実した環境のもとで生き生きと働きキャリアを積んで人生を有意義に進んでいる様子が伺えます。何らかのきっかけで離職してしまった看護師は長期間のブランクの間に医療技術が進歩し、それに付いていけるのかどうか不安を抱えています。また休んでいる間に看護技術が鈍ってしまいそれを取り戻せるかどうか自身を持つことができません。しかし現場では実績を積んだベテラン看護師の力を必要としています。大学病院で新卒看護師を多く採用してしっかりした研修を行なって職場に定着させ、看護師の求人を増やし、離職看護師に安心して職場復帰できるような体制を構築すれば人材不足解消の布石になるかもしれません。